日立、テレビの国内販売から撤退 :日本経済新聞
日立製作所が、9月25日に、自社ブランドテレビの国内販売から撤退すると明らかにした、というニュースがあったが、このニュース、少し間違いがある。
日立コンシューマ・マーケティング株式会社リビングサプライ社
そもそも、日立製作所自体は、とっくの昔に、家電やAV機器の事業をやめて、日立コンシューマ・マーケティング株式会社リビングサプライ社という会社に事業を移管しており、今回、自社ブランドテレビの国内販売から撤退することを発表したのは、日立コンシューマ・マーケティング株式会社だ。
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生産はかなり前にやめており、中国のテレビメーカー(ハイセンスらしい?)に技術移管して、そこに開発、製造を委託したテレビを、日立ブランドで販売してきた。
といっても、大手量販店で日立のテレビを見ることはなくなり、その販売は、日立のチェーンストールに限定され、細々と販売されているに過ぎなかった。
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今回の発表は、日立やWoooブランドのテレビ自体を完全に廃止し、その代わり、日立のチェーンストールでは、10月中旬から、ソニーの「ブラビア」ブランドのテレビを、そのままのブランドで販売するという。両社は、2017年から出張修理サービスで協力しているそうで、家電分野で事業が重ならないことから、さらに連携を深めるということで、今回の提携となった模様だ。
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これは、当然、ソニーにとって、販路を拡大する上で一定のメリットを生むのは確かだろう。
日立にとっても、日立がテレビの開発から手を引いて以降、4K/HDR、Hybridcast、スマートテレビ、4K衛星放送といった新機能に対し、まともに対応ができなくなっており、ソニーの「ブラビア」を販売することで、日立チェーンストールも、そうした問題を一気に解決することができる。
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一方で、日立も、遅まきながら白物家電のネット家電、スマート家電化を進めようとしているが、その核として、スマートテレビはハブやコントローラーとして重要な意味を持つ可能性があるのに、それを自社で取り組めなかった。
ソニーとの協業により、そうした白物家電の開発についても、具体化しやすくなるだろうし、ソニーとしても、テレビの接続先として、トップシェア製品も多い日立の白物家電とつながることは、非常に大きな意味があるだろう。
ソニーと日立は、日立がAV事業から撤退したことで、事業的な重なりがなくなり、非常に分業がやりやすくなったので、今後も、さらに緊密な関係で、開発も進むのではないだろうか。
唯一、垂直統合ですべてのやろうとするパナソニックに対し、海外に事業売却して、弱体化が懸念される東芝やシャープは勝負にならない中、ソニー-日立連合が唯一対応し、さらには、世界でも戦える存在になれるかもしれないので、ちょっと期待したい。
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