最新の動画コーデックというと、H.265/HEVCが有名で、世界中の技術者が英知を集めて作っただけに、圧縮率が高く、特に、4K/HDRの映像配信などでよく使われているのだが、H.265/HEVCコーデックを使用したければ、少なくとも4つの特許プール・企業と個別に契約し、それぞれに対して特許使用料を支払う必要があるそうで、大変面倒な技術となっているらしい。
そこで、最近、ロイヤリティフリーで使えるという「AV1」という動画コーデックが注目されているみたい。
AV1コーデックの圧縮率がすごい?H.264もHEVCもVP9も不要に?
AV1は、Googleの策定したロイヤリティーフリーのコーデックVP9をベースに、圧縮効率を高めたものらしく、AV1の圧縮効率はH.265/HEVCよりも高いという。
それでいて、ロイヤリティーフリーで使えるということから、すでにGoogle、Apple、Amazon、Microsoft、Netflix、Hulu、Nvidiaなどの主要企業が支持を表明しているそうだ。
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最近でも、Windows 10やFirefoxにAV1コーデックが組み込まれたりと、積極的に採用する動きが目につく。
ただ、Googleが、VP9を発表した時も、H.264/AVCとそん色ない画質だと言っていたが、そのGoogleが公開したサンプルを見る限り、明らかにH.264/AVCより画質が劣っていたことがあり、AV1に関しても、簡単にGoogleの言うことを信用できない自分がいる。実は詳しい説明を読んでいると、
AV1はアルゴリズムの煩雑化を避けつつ圧縮効率を上げる最先端のコーデックを目指しており、性能上での目標としてHEVCおよびVP9に対し約50%の効率上昇を掲げている。2016年6月現在、PSNR-HVS-Mによる比較で既にHEVCに肉薄する性能を持つことが確認されている。
とあり、なーんだ、目標は1.5倍だけど、現時点では、H.265/HEVCより圧縮効率は悪いんじゃねーか。
H.265/HEVCだって、今後も画質が向上しないと思ったら大間違い。
事前処理で画像のパターンを認識し、それに基づきエンコードのツールやパラメータを最適化して切り替えることで、まだまだ画質向上の余地があり、AV1が今追いかけているレベルに、H.265/HEVCエンコーダーの画質がとどまっている保証はどこにもないのだ。
AOMedia Video 1 - Wikipedia
AV1は、2015年に設立された非営利のコンソーシアムであるAlliance for Open Media (AOMedia) が策定したもので、主にGoogleのVP9に基づき、DaalaとThorとVP10の技術を組み込んで開発されたという。
ただ、目標だという、「HEVCおよびVP9に対し約50%の効率上昇」という高い目標が、何によって実現できるのかはよく見えない。
その意味では、自分は、AV1に対して、まだ何も信用していないんだよな。
ただ、このようなコーデックが登場することで、H.265/HEVCのライセンス契約を、シンプルに一本化しよう、という動きも出てきそうなので、その意味で意義はあるかと思うけどね。
H.265/HEVCの牙城を切り崩すのはそう簡単ではないと思うけどな。
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